1 遺言とは

遺言とは、本人が死亡後、何をどのようにしたいかという本人の最終意思を表す、メッセージのようなものです。

何をどのようにしたいかとは、財産上のこと、あるいは、身分上のことを、死亡後、どのようにするのかと言った法律的な内容となります。

例えば、『私の所有する不動産すべてを長男に、預貯金すべてを長女に相続させる。』などと、遺言書には、記載します。 

法律的な内容以外のこと、例えば、『兄弟同士仲良く暮せ』などと記載しても、法的な意味はもちえません。しかし、道義的な意味は大きいので、尊重されるべき内容となります。

 

遺言には、大きく分けて、次の3種類があります。

自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言です。この他にも、特別方式による遺言があります。

@自筆証書遺言:遺言者が全文、日付、氏名を自書し、押印する遺言書です。

A公正証書遺言:公証人役場にて、証人2名以上の立会いの下、遺言者が述べた内容を公証

           人が筆記し、作成する遺言書です。

B秘密証書遺言:遺言者が署名・押印した遺言書を公証人1名と証人2名以上の下、自己の遺 

           言書である旨等の申述をして作成される遺言書です。

 

遺言書を作成するにあたり、自筆証書遺言で作成したいと希望される方が多いですが、記載や修正に関して、いろいろな制限があったりしますので、遺言書が無効になるケースもあり、また、作成後の保管の問題や偽造・変造の問題があるため、実務上では、お勧めしておりません。

公正証書遺言なら、上記の問題がクリアーできることが多いので、当事務所では公正証書遺言にて作成することをおすすめしております。また、公正証書遺言の場合には、家庭裁判所の検認を受ける必要がありません。

公正証書遺言の作成手数料

公正証書で遺言を作成する際の、公証人に支払う手数料は、下記表のとおりです。

目的財産の価格については、不動産の場合は、固定資産税の納付書あるいは固定資産評価証明書などに記載のある金額を基準にすることが多いです。

株式、会員証、動産類などは、時価評価額を基準にするのが、通常です。

目的財産の価格

 手数料

 100万円まで

 5000円

 200万円まで

 7000円 

 500万円まで

 11000円

 1000万円まで

 17000円

 3000万円まで

 23000円

 5000万円まで

 29000円

 1億円まで

 43000円

1億円を超える部分については、
 1億円を超え3億円まで  5000万円毎に 1万3000円
 3億円を超え10億円まで 5000万円毎に 1万1000円
 10億円を超える部分   5000万円毎に   8000円
がそれぞれ加算されます。
           

 

遺言書の確認

相続が開始した後、遺言書があるかどうかを確認しなければなりません。

遺言書が見つかった場合、その遺言書が自筆証書遺言、秘密証書遺言である場合、家庭裁判所へ検認手続の請求をしなければなりません。

公正証書遺言の場合には、検認手続の請求は不要です。

 

平成元年以降に作成された公正証書遺言の場合、公正証書遺言を作成した公証役場名,公証人名,遺言者名,作成年月日等,日本公証人連合会において,調べることができます。
 ただし、秘密保持のため、相続人等利害関係人のみが、公証役場の公証人を通じて照会を依頼できることになっていますので、下記の書類が必要となります。

@ 遺言者が死亡したという事実の記載があり、かつ、亡くなった方との利害関係を証明 

 できる記載のある戸籍謄本

A ご自身の身分を証明するもの(運転免許証等顔写真入りの公的機関の発行したもの)

 まずは、一度、お近くの公証役場にご相談下さい。

 

遺言書の検認

検認とは、遺言書が見つかったときに、その遺言書を家庭裁判所に提出して、遺言の内容、署名や印、遺言書の枚数、用紙、遺言書が作成された際の筆記用具、などを記録してもらう手続きのことです。

これにより、遺言書の偽造・変造を防止し、保存を確実にします。

検認手続は、遺言の有効性についてまで、判断できるものではありません。

したがって、検認手続を経ても、遺言が有効なものであると決定されるのではありません。

なお、公正証書遺言の場合には、検認の申立てをする必要がありません。 

 

遺言書の検認は、遺言書の保管者、あるいは、遺言書を発見した相続人が、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申し立てます。

申し立ての時期は、相続開始を知った後、なるべく早い時期にすることが、大切です。また、遺言書に封がされている場合には、開封しないようにして下さい。

 

遺言書の検認を怠ったり、検認を経ないで遺言の執行をしたり、家庭裁判所の外で遺言書の開封をしたような場合には、5万円以下の過料に処されることがあるので、注意が必要です。

 

遺言書の検認申立ての際の必要書類

遺言書の検認申立ての時に必要な書類は次のようになります。

申立書

収入印紙(800円分)

郵券(切手)

となります。

郵券(切手)は、家庭裁判所によっても、異なることがありますので、申立ての前に家庭裁判所に聞いておくのがよいでしょう。

申立書の雛形は、裁判所のホームページからダウンロードできます。⇒申立書

また、申立書には、当事者目録を添付します。⇒当事者目録

上記の他、下記のような戸籍謄本等が必要となります。

相続人が誰になるかによって、添付する戸籍謄本等が異なってきます。一応、参考例として挙げておきました。

なお、遺言書の原本は、検認期日に家庭裁判所に持参します。この場合、封印してあるものは、絶対に開封しないようにします。

@ 相続人が子の場合

 @ 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)

 A 子の戸籍謄本

A 相続人が父及び母の場合

 @ 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)

 A 子の出生から死亡までの戸籍謄本等(ただし、子がいた場合です) 

   相続人が父及び母になるということは、すでに子が死亡していることが前提になり、さらに子の子(孫)

   がいないことを戸籍謄本等により、証明する必要があります。 

 B 父及び母の戸籍謄本

B 相続人が祖父及び祖母の場合

 @ 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)

 A 子の出生から死亡までの戸籍謄本等(ただし、子がいた場合です) 

   相続人が祖父及び祖母になるということは、すでに子が死亡していることが前提になり、さらに子の子

   (孫)がいないことを戸籍謄本等により、証明する必要があります。 

 B 父及び母の死亡の記載のある除籍謄本(改製原戸籍)

   相続人が祖父及び祖母になるということは、すでに父及び母が死亡していることが前提になりますの 

   で、父及び母の死亡の記載のある除籍謄本等で父及び母の死亡した事実を証明する必要がありま

   す。 

 C 祖父及び祖母の戸籍謄本

C 相続人が兄弟姉妹の場合

 @ 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)

 A 子の出生から死亡までの戸籍謄本等(ただし、子がいた場合です) 

   相続人が兄弟姉妹になるということは、すでに子が死亡していることが前提になり、さらに子の子(孫)

   がいないことを戸籍謄本等を添付して、証明する必要があります。 

 B 父母の出生から死亡の記載のある除籍謄本(改製原戸籍)

   相続人が兄弟姉妹になるということは、すでに父母が死亡していることが前提になり、また、異母兄  

   弟、異父兄弟のいないことを除籍謄本等で証明する必要があります。

 C 祖父母の死亡の記載のある除籍謄本(改製原戸籍) 

   相続人が兄弟姉妹になるということは、すでに祖父母も死亡していることが前提になりますので、祖父

   及び祖母の死亡の記載のある除籍謄本等で祖父及び祖母の死亡した事実を証明する必要がありま

   す。

 D 兄弟姉妹の戸籍謄本

   ただし、兄弟姉妹の一部の方が死亡している場合は、その方の出生から死亡までの戸籍謄本等も必

   要となります。

   

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