Q1 遺言書が見つかりましたが、遺産分割協議をすることはできますか?

A1 遺言書が存在している場合でも、相続人全員で遺言書の内容とは異なる内容の遺産分割協議をすれば、遺産分割協議の方が優先されます。
ただし、遺言書の中で、遺言執行者が指定され、遺言執行者が就職している場合には、注意が必要です。遺言執行者の業務は、遺言の内容を執行することなので、相続人間で、遺言の内容と異なる内容で遺産分割協議をし、それを実現することは、「相続財産の処分その他遺言の執行を妨げることはできない」という民法1013条の規定に反するようにも、考えられます。
しかし、遺言執行者の同意を得ることで、相続人間で行った処分行為は有効とする判例がありますので、遺産分割協議の際に、遺言執行者に立ち会ってもらい、同意を得ておくことで、遺産分割協議を有効にすることができるものと考えられます。
 

Q2 遺産分割協議が調いましたが、もう一度遺産分割協議をやり直すことはできますか?

A2 相続人全員が合意すれば、遺産分割をやり直すことができます。ただし、税務上は、やむを得ない事情がある場合でなければ、やり直すことができず、2回目の遺産分割によって移転する財産があれば、譲渡所得税、贈与税の課税がされることがあります。
 

Q3 被相続人Aが亡くなり、遺産分割で母親Bの面倒を子C、DのうちDがみるとの協議が調いましたが、Dは、Bの面倒をみようとしません。この場合、一度成立した遺産分割を解除することはできますか?

A3 この場合、DがBの面倒をみないということになりますので、Dの債務不履行となります。しかし、一部の相続人の債務不履行による、遺産分割協議の解除は、遺産の分割を余儀なくされ、法的安定性が著しく害されるため、できないものとされています。
 

Q4 被相続人Aが亡くなり、相続が開始しました。相続人は、妻Bとその子C、Dですが、Dは、まだ高校生(18歳)です。B、C、Dで遺産分割協議をしたいのですが、できるでしょうか?

A4 Dが未成年者(民法上、20歳未満の者です)の場合には、Dのために特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があります。
未成年者は、自分1人で、法律行為(遺産分割協議もこれに含まれます)をするには、法定代理人(両親など)の同意を得ておくか、法定代理人が未成年者を代理して行う必要があります。
しかし、本件のような遺産分割協議では、Dとその母親であるBは、相続財産の取得については、互いの利益が相反しますので、上記の同意や代理は、意味を成しません。

相関図11.bmp

したがって、未成年者Dを保護するために、Dのために、家庭裁判所に特別代理人の選任の申立てをしたうえ、そこで選任された特別代理人とBとCが遺産分割協議を行います。
特別代理人は、家庭裁判所が選ぶことになりますが、通常、未成年者との関係や利害関係の有無などを考慮して、適格性が判断されることになります。なお、申立ての段階で候補者を立てることもできます。
なお、Cも未成年者であった場合には、Cについても、特別代理人の申立てをしたうえ、Cの特別代理人、Dの特別代理人、Bで遺産分割協議を行います。 
 

Q5  被相続人Aは生前、Xから200万円借金をしていました。Aの死亡後、B、C、D間で、Aの不動産などのすべての財産及びXからの借金のすべてをDが、相続するという遺産分割協議が調いました。しかし、XからCに対して、Cの法定相続分である4分の1にあたる50万円を支払ってほしいとの請求がきました。Cは、支払いに応じなければならいないでしょうか?

A5  被相続人Aは、Xから生前借金をしており、その借金も相続人が相続の放棄等をしない限り、相続されます。

相関図写9.bmp

 B、C、D間で、Dが不動産などすべてのプラスの相続財産を取得し、また、借金などのマイナスの財産を取得するといった内容の遺産分割協議は有効ですが、借金などのマイナスの財産は、債権者が承諾しない限り、Dが単独で取得するととしても、他の相続人は法定相続分で支払義務は負います。

上記の事例で、借金について、遺産分割協議内容に、Xの承諾がない場合には、CはXからの請求に応じる必要があります。
ただし、遺産分割協議の内容に関しては有効ですので、CがXに50万円を支払った場合、CはDに求償することができます。

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